「意見が埋没していますね」…その一言が地雷でした
若手時代、私はとにかく「頭の回転が速いと思われたい」一心で、尖った言葉ばかり使っていました。ある日のクライアントとの打ち合わせ中、先方のアイデアを否定したくて、つい口をついて出たのが「〇〇さんの意見、少し議論の中で埋没してしまっていますね」という言葉。
自分では「論理的に指摘した」つもりでした。でも、その瞬間、相手の顔からサッと血の気が引いたのを今でも鮮明に覚えています。「埋没」という言葉は、相手の努力や発言の価値を「なかったこと」にするような、非常に冷たい響きを持ってしまうんですよね。当然、その後の交渉は泥沼化。上司にこっぴどく怒られたのは言うまでもありません。
今思えば、なんて失礼なことを言ったんだろうと冷や汗が止まりません。皆さんも、相手の提案を断りたい時や、方向性を修正したい時に、似たようなミスをしてヒヤッとしたことはありませんか?
なぜ「埋没」という言葉がNGなのか
「埋没」という言葉は、ビジネスの現場では「価値が認められない」「存在感がない」というネガティブなニュアンスを強烈に含みます。特に相手が一生懸命考えたアイデアに対して使うと、「あなたの意見には価値がない」と宣告しているのと同じことになってしまうんです。
中間管理職として板挟みの生活を送る今、私はこう思います。「正しいことを言うだけが仕事じゃない。相手のプライドを保ちつつ、目的を達成するのが大人だ」と。もし、相手の意見を尊重しつつ、別の方向へ誘導したいなら、言葉を選ばなければいけません。
角を立てずに「NO」を伝える大人の言い換え術
では、どう言い換えればよかったのか。ポイントは、「埋没している」という相手の否定ではなく、「視点を変える」「深掘りする」というポジティブな提案に変換することです。
- ✕「埋没してしまっていますね」
- 〇「別の視点からも検討してみると、より可能性が広がりそうですね」
- 〇「いただいたご意見を核にしつつ、今回の目標に照らし合わせると別の切り口も考えられそうです」
こう言えば、相手は否定されたと感じることなく、一緒に次の一手を考えるモードに入ってくれます。余裕を持つって、こういうことなんですよね。
他にもある!断りの言葉で信頼を落とさないために
「NO」を伝えるのは本当に難しいですよね。私も過去に「不本意ですが」といった言葉で大火傷をしたことがあります。そんな時は、こちらの記事も参考にしてみてください。相手を傷つけず、自分の立場を守るためのヒントが詰まっています。
「不本意ですが」で上司を激怒させた僕へ。角を立てずにNOを伝える30代からの『大人の言い換え術』
また、相手との認識のズレを感じた時に、真っ向から否定して関係を壊すのではなく、スマートに軌道修正する方法も重要です。
「齟齬が生じましたね」で取引先が激怒!?角を立てずに認識のズレを正す30代からの『大人の言い換え術』
まとめ:言葉のチョイス一つで、明日の商談が変わる
「埋没」なんて言葉を使わなくても、相手の意見を尊重しながらNOを伝える方法はいくらでもあります。30代になった今、私が心がけているのは「相手に花を持たせつつ、自分の意見も通す」という絶妙なバランスです。
皆さんも、もし会議やチャットで「これ、言ったら角が立つかな?」と不安になったら、一度深呼吸して「相手にとってこれはどんな響きになるか」を想像してみてください。その一瞬の迷いが、あなたの評価を救うはずです。若気の至りで失敗してきた私だからこそ言えます。言葉は、相手との橋渡しにもなれば、断絶の壁にもなります。次回の商談では、ぜひ「大人の言葉」を選んでみてくださいね。
